寿司に詳しく無い人は,無意識の内に「寿司は,生ものばかり」と考えてしまう。しかし,寿司の多くは,ひと手間が加えられ,「江戸前の寿司=ひと手間が加えられた寿司」という意味もある。
代表は穴子だろう。もちろん煮てあって,時間が経っている物は,炙ってからたれをつける。最近では塩をつけて出す店もある。私が通う「おんすしどころほうらい」は,塩・たれ・醤油の3種類がある。
魚を炙る物も多い。
これは鰆だが,この店では金目鯛・太刀魚も多く,昨晩は赤むつも炙って出てきた。
江戸前仕事の代表格に小肌を挙げる人は多いだろう。「寿司になるために生まれてきた魚」という職人も多いようで,酢と塩の加減は,職人の腕を測るとも言われる。身に入れる包丁も,魚の状態を見て変えるという。
しゃこは,殻むきが大変なので,最近は扱わない店が増えているという。これも煮る仕事で,その時の状態で醤油やたれをつけて出される。