おんすしところほうらい120-最終編2

 お品書きである。しかし,これを見て頼む客はいない。基本として主人にお任せであるし,客の多くがこの店のことを知っている常連だからだ。主人も「ただの飾り」と言っている。
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 下の値段の場所には何も書かれていない。値段の欄が無い物を頼んだが,手違いでこれが届いてしまったとのこと。しかし,値段は,入れようがないという。例えば,まぐろと言っても部位によって値段が様々であるし,季節によっても値段が変動する。仕込んでからの日数で味が変わり,それが値段に影響することもあるだろう。ということで,いわゆる「時価」というものが発生する。
 今までも連載の中でも書いたように,みる貝や赤貝では,1個の仕入れ値が3000円にもなる物がある。それから寿司何個分がとれるかわからないが,仮に1個分が2000円となったとしたら,それが書けるだろうか。まあ,どこかの知事だったら,どれだけの値段であっても,飲食費で落としてしまうかもしれないが。
 これで4か月にわたる連載を終わる。