金星についての思い出

 幼少のころから漠然と天文には興味を持っていて,小学校高学年の時には学校の図書館にある天文関係の本は,すべて読んだ。とは言っても,天文学者に類する伝記のような物を含めて10冊にも満たない冊数だと思ったが。
 中学生になった時に『天文ガイド』という雑誌があることを知って購読者になった。やがてバックナンバーも取り寄せるようになった。下の写真は,我が家にある最古のバックナンバーだ。表紙は,明け方の細い月と水星である。昨日の話に通じる写真で,こうした情景を見るたびにこの表紙の写真のことを思い浮かべる。この雑誌は,20年以上買い続けたが,印象に残る写真の5本の指に入るものだ。
イメージ 1
 
 天体望遠鏡を買ってもらい,初めて見たのは三日月形の金星だった。
 大学時代は,口径40センチの望遠鏡で主に月と惑星を見ていた。
 昨日のブログでできる限り朔に近い月を見ることを書いたが,金星も同様に「内合」という現象にできる限り近いものを見ることが興味の対象だった。
 「明けの明星」「宵の明星」と謳われる金星だが,内合に近くなると見られる時間帯は昼間に限定される。実際のところ,金星は一年中昼間に見ていたとするのが正しいかもしれないが。
 下の写真は,確か内合の5日ぐらい前だと思った。5日前にしては金星が太過ぎるというのが実感で,内合の日に見たこともあったが,いい写真が撮れなかったと記憶している。その後何年かして,内合の日の極細の金星が掲載されたことがあった。
イメージ 2
 
 内合の日の金星と言えば,その極致は下の天文現象だろう。
イメージ 3
 金星の日面経過である。小学校高学年か中学生の時から待ち続けた天文現象だった。
 昨年の金環日食,昨日の朔22時間30分前の月,今年に期待されている2つの大彗星と言い,天文の世界は賑やかだ。