後悔

 ぼけた写真で申し訳ないが,大学時代に天文雑誌に載った天体写真である。
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 これは,月が古い月から新しい月に移り変わる(「朔(さく)」という)時から24時間ほど経ったばかりの新月である。月齢で表すと1.0。
 大学時代は,こんな細い月を見るという天文屋の中でも稀な対象を趣味にしていた。
 「朔から24時間以内の月を見る機会」となると,1年でせいぜい2,3度あるだけで,それも天気が悪ければ駄目で,晴れていても低空の透明度が低ければ駄目だ。ということで,1年に一度あるかないかと言ってよいくらいだ。
 上の写真は,朔の後のものだが,朔の前も24時間以内であればおなじぐらいの価値がある。
 実は,今朝はその絶好の機会だった。
 昨日の朝,金星の右に細い月が輝いていた。「月が1日に動く角度からすると,明日の朝も見られるかもしれない。」と思った。
 そして迎えた今朝,勤務先に着いた時に金星が東天に輝いていた。その時点では,月が東の空から昇っていないと判断したので,その後に何分かしてから東の空を見た。どうも金星から少し離れた辺りにぽやっとしたものがあるようだったが,どうもはっきりしない。双眼鏡を持っていれば確認できていただろう。
 実は,今朝の月に対しては,朔の何時間前かを調べていなかった。家に帰ってから『天文年鑑』で調べたところ,何と朔の22時間30分ぐらい前だった。これを見ていれば,自分にとっては大幅な新記録。全くもって後悔することしきり。