宇津ノ谷峠

 静岡市藤枝市との境にある宇津ノ谷峠は,1000年以上も前の古典文学『伊勢物語』の「あずま下り」に「行き行きて,駿河の国に至りぬ。宇津の山に至りて,わが入らむとする道は,いと細きに,蔦・楓は茂り,もの心細く・・・。」と綴られている。
 現在は,これが藤枝側の山道入口。いわゆる「蔦の細道」を15分ほどで峠に着く。
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 しかし,江戸時代になると,この狭い道では大名行列が通り抜けできないということで,道が少し北側に付け替えられた。確かに大名行列が通ることができるほど広い。
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 しかし,峠までの2分ほどはちょっと狭い。これは,藤枝側の狭くなる部分入口。
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 静岡側に1分ほど下れば道が再び広くなる。これは,車道に出る所。
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 明治になると資産家が長さ200mほどの隧道(トンネル)を造った。現在は無料で通ることができるが,当時は日本初の有料だったとのことだ。
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 現在は,このトンネルの少し北側に昭和5年に国道のトンネルが造られ,その後,昭和34年と平成10年にも長さ800mほどのトンネルが造られた。昭和5年完成のトンネルは,起工が大正15年だったので,「宇津ノ谷峠には明治・大正・昭和・平成のトンネルがある。」と喧伝されている。