漆塗りの技法4-白檀塗り

 「白檀」は,「びゃくだん」と読む。
 下の写真の屋台では,どのようにして模様をつけてあるだろうかを推測してもらいたい。答えは,写真の下に書くことにする。
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 渦巻のような模様をどうやってつけるのかは知らないが,柱の全体に金粉を塗り,その上から漆を塗って模様をつけるというのだ。
 この屋台では,縦柱が6本,横柱が15本あるが,そのすべての全面に金粉が塗られていることを想像してもらいたい。つまり,漆を塗らなければ金仕立ての屋台ができ上がるということだ。その金を隠してしまうというので,いわば究極の贅沢と言えそうだ。
 この屋台は,平成15年に塗り直しをしたのだが,それ以前には下地に銀粉が使われていた。しかし,銀だと錆びてしまうので,修復にあたって金粉が使われた。
 
 次の屋台も同じ業者(※)による白檀塗りだ。これは,塗り直しがされた平成21年の時の写真だ。
 ※本ブログで何度か登場している塩尻市木曽平沢の中國漆器店。
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 光線の具合による影響もあるが,1枚目の屋台に比べて模様の出方が少ない。
 漆は,経年変化によって下地の模様が浮き出てくる。1枚目の屋台の写真は,塗り直しから7年後のものだ。
 
 ちなみに,2枚目の屋台の柱は欅で,金粉だけでなく,欅の木目も見えなくしてしまっていることになる。