漆塗りの技法3-螺鈿

 漆塗りの技法としてよく使われる物に「螺鈿(らでん)」がある。「青貝」とも呼ばれ,その名の通り青い貝殻を埋め込む。
 この屋台の町が「塩町」ということで,螺鈿で波のようなうねり模様を出すために,青貝がかなり高密度に埋め込まれている。
イメージ 1
 
 細かい貝を埋め込み,「ろいろ」の中にきらめきを出す方法もある。
イメージ 2
 
 この屋台は,彫刻の裏板に隠し味のように細かい貝を入れている。螺鈿では,貝と「ろいろ」の平面を合わせるのが普通だが,この屋台では,貝が板の上にぶつぶつと出るようにしてある。
イメージ 3
 
 1か月ほど前に立川流彫刻の高村他之介のことを書いた。1枚目の「櫛稲田姫尊」と3枚目の「波」は,高村作の物で,1枚目が明治24年,3枚目が明治21年である。