漆塗りの技法5-梨子地塗り

 「梨子地(なしじ)塗り」は,文字通り果物の梨の表面のような模様をしている。落ち着いた味わいとして人気があるようだ。
 下の写真のように障子の枠に使われることがある。昨日紹介した白檀塗りと同様に,経年変化によって模様がだんだんと浮き出てくる。この障子は,平成9年に作られ,昨年に撮影したので,15年が経過している。
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 同じ業者(※)による梨子地塗り。光線の関係もあるが,昨年に塗られたので,模様がほとんど見えない。
 ※塩尻市木曽平沢の中國漆器
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 中國漆器店の社長の話では,外気に触れることによって,1週間でも変化が見られ,塗った直後とこの時でも模様の浮き出方が違うとのことだ。
 また,梨子地らしい色合いが出てくるのは10年ほど先で,本当の梨子地と言えるのは20年ぐらい先とのこと。