屋台の修復3

 修復前の彩色。彩色とは,漆による蒔絵と違って,平たく言えば絵画だ。昨日の波模様に比べれば保存状態が格段によいが,約90年を経て色の脱落が目立つ。
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 屋台全体の修復を請けた漆業者が,京都の専門業者に見せたところ,「ぜひともうちでやらせてもらいたい。」というほどの逸品とのこと。その業者は,国宝や重要文化財級の物しかやらないそうだ。私にはこの彩色の良さは,さっばりわからない。
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 上の天女は,屋台正面にある物で,下の竜は,屋台の側面にある。この竜も素晴らしいとのことなのだが,これもさっばりわからない。
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 実は,5~6年前に東京から祭を見に来た芸術系の大学の教授がこの竜について偉く感心していて,私がそのことをこの町の町内会長に伝えたところ,「いつしかこの屋台を修復したい。」と思ったそうだ。そんな折に祭を見に来た漆業者もこの竜に感心されて,町内会長さんと話をして,屋台修復の話が進んで行ったとのこと。
 修復の入魂式の時にそんなことを聞かされたのだが,私は,大学教授の話を町内会長さんに伝えたことを全く忘れていた。