その時に見た421系は,まさに「電車」というたたずまいで留置されていた。この時は,引き込み線の先が草藪に没していた(下の写真)ので,「車輛の墓場」と言われる場所に行くことは無いと思っていた。とは言っても,踏切が真新しいだけに,引き込み線がいつ使われてもおかくしないとも思った。
421系は,遠目にはきれいだが,近くでは老朽化が目立った。
421系は,いろいろなプログを見てわかったことだが,以前には千頭駅に留置されていたのが,7月にはこの場所に来ている。そして,10月下旬には引き込み線の奥にある車輛の墓場に行った。
421系は,「ああ,ついにここに来てしまったか。次に行くのは車輛の墓場だ。」と思っていたことだろう。
昨日のブログで,「421系は,おそらくここまで自走してきたのだと思われる。」と書いた。それは,まるで自分の墓を掘る思いだっただろう。
421系が引き込み線の始まりの辺りに留置されていたのは,最後の晴れ姿という気がする。
昨日のブログに載せた図を再掲して,自走できないC12208をどうやって移動させたかを推測する。
当初は,421系がC12208を連結して分岐器を使って上の線路に渡ったと考えた。「C12208の移動」という,421系にとって最後の務めがあったことを喜んだ。
しかし,C12208と分岐器との間に充分な距離(現地で歩測)が無いので,そこに421系が入れないことに気がついた。421系を上の線路に渡らせるためには,邪魔なC12208を事前に移動させる必要があった。
そこでまたあることに気がついた。
421系は,引き込み線の入口付近に留置されていたので,C12208を移動させる電気機関車の邪魔になった筈なので,一度は車輛区内に移動し,C12208の移動のための電気機関車が戻って来てから最後の旅に出たと考えられる。