天幕の題材を決めた理由

 昨日のブログで『梅(紅白)にうぐいす』『もみじに鹿』の天幕が新調されたことを書いた。
 これらの題材にした理由は,次の通りだ。
 天幕の題材で多く使われている題材に竜がある。しかし,「竜の天幕か。」で終わってしまう。刺繍に10㎝もの盛り上がりがあれば別だが,要するに「また見たい。」という気持ちが起きない。
 下の写真は,かなりいい天幕だが,この幕を見にわざわざ来る人はいないだろう。
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 獅子も同様だ。この天幕もかなりの価値があるが,正直なところ題材においては話題にならない。
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 虎も同様。この幕も時価にしたら1000万円はするだろうが,「虎の幕か。」で終わってしまう。
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 新調する天幕の題材を決めるにあたって,「竜・獅子・虎・鳳凰・鶴・亀は採用しない。」とした。先にも書いたように,誰も見ないからだ。
 図柄の1つに紋章がある。これは,八坂神社や津島神社の系列の神社に共通な「木瓜」だが,自分の町がそうした神社の氏子であることを主張しても,それは見物客にはほとんど関係の無いことだ。つまり誰も見ない。
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 どうせ作るなら「あの町の天幕をもう一度見たい。」という物を作りたかった。
 しかも,日本風の題材にしたかった。全国の天幕に詳しい知人に聞いたところ,この題材は,ありふれているようでいて,実際にはほとんど無いらしい。
 今回の披露では,女性の視線が集まっていたことが印象深い。これだけの刺繍があれば女性の眼を惹く筈だ。
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