文章は別として,写真に関しては,私には不満だった。山は,仰ぎ見てこそ高度を感じるものであって,上からではよくわからなかったからだ。
「では,なぜそんな本を買ったのか?」ということになるが,答えは簡単。書店に在庫が無く,取り寄せてもらったからだ。
逆に下の本は,極めて秀逸だった。
北アルプスにある湖沼群を隈なく調べた内容で,山行計画を立てる参考にもなった。写真もいわゆる「水鏡」状態の物が多く,夢を膨らませてくれた。
特に役立ったのが,黒部五郎岳のカール底にある小さな池だ。私がそれを紹介する文章では「自然の庭師が敷き詰めた畳石」という文言でその魅力を伝えたことがあった。