将棋極妙8-まさに神技

 前日に書いたように,『将棋極妙』の特徴の1つである,玉の周りに駒がごちゃごちゃしている問題。1六金,3七金,4七馬をほぐしていく。
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 解いていくとどうしても簡単に詰んでしまう。「問題が間違っていないか?」と答えを見ると,7手目の3四銀には1四玉だとばかり思っていた。正解の1六玉が全く抜け落ちていた。
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 1手目は,7九金しか無い。同玉だと早詰めなので同角成。次の5八銀打からの変化に対して6八玉と7八玉がある。いずれも変化が多岐にわたるが,とにかく読むしかない。
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 9手目の飛車のただ捨てに驚くが,1五馬を働かすにはそれしかない。もしも3九飛を入れないで1四馬としたら2五歩と抑えられて終わってしまう。
 23手目の馬のただ捨ては,打ち歩詰めの回避だ。27手目の9五歩を同馬と取らせることによって打ち歩詰めでなくなる。
 そして,撮り返した角を使い,9手目の飛車のただ捨てで3九に移動させた竜(飛車)を取り戻すという驚愕の手順。
 それだけではない。その角が43手目に活躍することになり,さらに53手目と57手目でも活躍する。
 これら一連の神技が組み合わさった問題は,『将棋極妙』の第50番までの中での最高作だろう。
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