想定内-アイソン彗星の崩壊

 昨日のブログに「アイソン彗星(中略)太陽から僅か120万キロの所を通過するので,崩壊してしまうことも考えられている」と書いたので,今日は仕事の合間にインターネットでアイソン彗星の情報を見ていたところ,「アイソン彗星が崩壊」という記事があった。実は,昨日は意識していなかったのだが,120万キロというのは,太陽の直径の約150万キロよりも短いのだ。これでは,消滅しても当たり前という感じだ。彗星の本体は,氷の塊のようなものだからだ。
 彗星が太陽に接近した時に崩壊することは,そう珍しいことではない。
 下の写真(インターネット上で拾った,撮影者は白河天体観測所)の池谷・関彗星は,「太陽をかすめる彗星群」あるいは「クロイツ属の彗星」と呼ばれる一群の彗星の1つで,太古の昔に巨大な彗星が太陽に近づいた際に多くの彗星に分裂し,そのばらばらになった彗星が時々巡ってくると考えられている。この群の彗星は,太陽にかなり接近する軌道を持っているので,彗星本体から放出される物質が多いのだろうか,長大な尾を見せることが多い。
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 彗星から放出された物質が地球大気に飛び込んで発光する現象が流星群だ。
 周期6.6年のビーラ彗星は,1846年の回帰の時に2つに分裂してしまった。次の回帰の1852年には分かれた核が280万キロほど離れて戻ってきたものの,1859年を最後に姿を見せなくなってしまった。
 しかし,1872年,1855年,1992年にアンドロメダ座流星群が出現し,その軌道がビーラ彗星と一致した。つまり彗星が崩壊して流星群に姿を変えたことになる。
 昨日のブログで紹介したウエスト彗星も核がいくつかに分裂している。
 アイソン彗星がどうなったかは,ニュースで報道されているように,何日かしないと結果がはっきり出ないだろう。「彗星の尾だけが見えるかもしれない。」という内容もあるが,果たしてどうなるだろうか。